秋鮭とカボチャのクリームシチュー

- 10
- October
2026
お魚の旬の情報やおいしい話で、お魚をもっと身近に!

空気がひんやりとしてきた10月。鮮魚売場にも、秋の深まりを感じる魚「秋鮭」が並び始めました。秋鮭とは、私たちが普段「鮭」と呼んでいる魚のうち、「シロザケ」という種類のことで、紅鮭や銀鮭とは異なる魚です。秋に日本沿岸に姿を見せることから「秋鮭」として親しまれてきました。
そんな秋鮭には、故郷の川に戻って産卵をする「母川回帰」と呼ばれる習性があります。川で生まれた稚魚は小さな身体で川を下り、広い海へ旅立ちます。そして数年の時を経て成長すると、再び生まれた川に帰ってくるのです。なぜ故郷の川を覚えているのか、その仕組みは未だ謎に包まれています。また、多くの秋鮭は北海道や新潟県のように、比較的海に近い場所に遡上しますが、中には長野県上田市の川までたどり着いた記録も残されており、その生命力は計り知れません。一方で、ごく稀に春頃に日本沿岸へ現れる秋鮭もいます。「時鮭(ときしらず)」と呼ばれ、産卵前のため脂がたっぷりとのり、高級魚として取引されています。
秋を象徴する秋鮭ですが、冬にも重宝されてきた魚でもあります。それが、年末年始に食べる「新巻鮭」です。新巻鮭は、秋に沢山獲れた秋鮭を塩漬けにしたもので、魚を長く味わうための先人の知恵です。かつては新潟県でも製造が盛んで、海のない長野県では新潟県から新巻鮭を仕入れて、年末年始のお年取り魚として味わうようになったのです。
近年は環境変化などにより、川へ戻る秋鮭の数が減少しています。今年も豊漁とはいかない見通しですが、秋の味覚としての出回りは期待されています。その一方で、人工ふ化した稚魚を放流する取り組みも続けられ、秋鮭の資源を守る努力が各地で行われています。
遠い海から故郷を目指して帰ってくる秋鮭。今回のととレシピでは、「秋鮭とカボチャのクリームシチュー」をご紹介します。秋ならではの味覚を、ぜひご家庭で楽しんでみてください。(写真は秋鮭を原料に作られる「新巻鮭」です)
