イカキムチ炒め

- 11
- November
2025
イカは刺し身、すしネタなど生食でもおいしいですし、信州では煮イカや塩丸イカなど伝統食材として考えられるものもあり、とても身近な海産物です。家庭料理ではイカの下処理が大変かもしれませんが、今回のように下処理済みを購入することで新しい味が食卓を飾ることにもなります。
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ここ数年、日本のイカ漁獲量は記録的な低迷が続いていました。しかし、今年は久しぶりにイカが豊漁です!今夏、三陸沖ではスルメイカが好調で、銚子沖でもマイカやヤリイカなどの漁獲量が昨年の2.5倍に上っています。
漁獲量が好転した理由は一説によると、太平洋沖で7年余り続いた黒潮大蛇行(黒潮の流れが大きく湾曲する現象)が終息した影響といわれています。つまり、黒潮の流れが本来のルートに戻ったことで潮通しが良くなり、海中の酸素やプランクトンが増加。海水の流れがスムーズになったため魚が集まりやすい環境となり、イカ漁にもプラスの効果が出たと推測されています。
イカの漁獲量を増やすには自然に任せているだけでは難しく、持続可能な漁業としていくためにも資源の保護が重要です。日本は1996年から国連海洋法条約に基づく漁獲可能量(TAC(タック))制度を導入しており、スルメイカの資源管理を行っています。乱獲等による資源の減少を防ぐため魚種別の漁獲上限量を国が定め、超過した場合には禁漁する管理方法です。
水産庁は毎年スルメイカのTACを定め、小型船や底引き網船などに漁獲枠として配分します。しかし、今年度のTACは近年のスルメイカの不漁を背景に前期比7割減(2万5800トン)で設定されたため、想定外に豊漁となった今回は小型船に配分された漁獲枠が先月オーバー。その結果、TAC制度導入以来、初めてスルメイカの採捕停止命令が発出されることになりました。スルメイカ漁全てが禁漁にはならないものの、今後の動向が今、非常に注目されています。
イカはどんな調理法や食材も受容する優れた食材です。今月のととレシピはキムチとみそが食欲を増進し、ごはんのお供にピッタリの一品!野菜がたっぷり取れるのもうれしいですね。スルメイカのワタを入れるとうま味もコクも格段にアップするのでおススメです。
食欲の秋、旬のイカ料理を存分に楽しみましょう!
