釜揚げ桜エビの炊き込みご飯

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- April
2026
長野では乾燥サクラエビがおなじみですが、この時期、釜揚げや生のサクラエビが手に入ったなら、ぜひ素材そのものの味が楽しめるような、シンプルな食べ方がおすすめです。炊き込みご飯は、炊飯器のふたを開けるとほのかな磯の香りと同時に、美しい桜色に目が奪われます。旬が楽しめる一品です。
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各地で桜がほころび始めた今、海からも“桜”の便りが届きました。――サクラエビです。まるで宙を舞う桜の花びらのように海を漂うサクラエビ。この季節、多くの飲食店では、“春の味”としてサクラエビを使った料理が振る舞われます。サクラエビが“春の味”と呼ばれるのは、その姿や味わい、そしてどこかはかなさをまとった存在感に理由があります。
まずはその姿。「サクラエビ」の名前の由来とされる体の色は、まさに春を思わせる桜色です。この桜色は、アスタキサンチンという成分によるもので、もともとは海藻が作り出す天然の赤い色素。食物連鎖の中でサクラエビがこの色素を取り込むことで、ほのかな桜色に染まるというわけです。アスタキサンチンは、老化を防ぐ“抗酸化作用”があるされ、サクラエビを食べる私たちにとってもうれしいものです。
サクラエビは、味わいもまた春そのものです。生で味わえばほのかな甘みが広がり、釜揚げにすればふっくらとした食感が楽しめる。かき揚げにすればサクッと軽い食感が春の風を思わせます。さまざまな食べ方で楽しめるのも、旬を迎えるこの季節だからこそ。一口一口のありがたみもひとしおです。
実はサクラエビ、国内では静岡県駿河湾でしか水揚げされない貴重な海の幸。その味を長く守るため、漁の期間が制限されており、今年は3月29日に漁が解禁されました。今年も前年並みの漁獲量が期待されていますが、一方で長期的にみると漁獲量が減少傾向にあるのも事実で、サクラエビはますます貴重な存在になりつつあります。その儚さが桜と重なり、春を思わせるのでしょう。
今回のととレシピは、釜揚げにしたサクラエビを使った「釜揚げ桜エビの炊き込みご飯」。サクラエビの旨味が、口の中でふわっと花を咲かせます。信州にも桜前線が近づく今、海の“桜”にも想いを重ねて、旬のサクラエビを味わってみてはいかがでしょうか。
