こどもの頃からお盆には、ご先祖様と一緒に、遠方の親戚がたくさん集まってきて、

わたしにとっては夏休みのメーンイベントでもありました。

そんな人寄りを懸命に支えていた母の苦労に思いをめぐらすこともできず、

ただただ楽しいひと時。

わたしが生まれ育った塩尻地方では、迎えお盆にはご先祖様をお墓でおんぶして自宅まで運び、送り盆にはまたおんぶをして、お墓まで送り届けるという習わしがあります。

長野に嫁いでから、その習わしが特別なものだったことを知り、

改めていい風習だと、長野でもおんぶをして、ご先祖様の送り迎えをしています。

ところが今年、実家のお墓に行ってみると、おんぶをしている人がほとんどいないことに気付かされ、大変ショックを受けました。

目に見えないご先祖様たちが、おんぶをしているときだけは、なぜかちょっと重く感じられるような、ちょちっと現実離れした気持ちになれるのも、お盆という特別な期間だけと思います。

長野ではお盆におやきを食べる習慣がありますが、中信地方では天ぷらとそうめん、というふうに同じ長野県でもいろいろに違っているのもお盆という行事の奥深いところです。

これは、信州ならではの天ぷらです